発紘電機
発紘電機株式会社について
発紘電機株式会社(はっこうでんき)は、日本の電子機器メーカーであり、主に産業用オートメーション分野における表示装置(タッチパネル表示器、オペレータパネルなど)を中心とした製品の開発・製造・販売を行っています。1948年の創業以来、日本のものづくり産業を支える制御機器・情報表示装置の分野において、独自の技術とノウハウを築いてきました。
発紘電機株式会社は富士電機株式会社の連結子会社です。富士電機は発紘電機の議決権の98.6%を所有しており、グループ企業の一員として位置づけられています。 高品質かつユーザビリティに優れた製品を市場に提供しています。発紘電機の製品は、日本国内にとどまらず、アジアや欧米など海外の市場にも展開しており、グローバルな制御機器メーカーの一角を担っています。
1. プログラマブル表示器(タッチパネル表示器)
発紘電機の代表的な製品群として、産業用プログラマブル表示器(HMI:Human Machine Interface)が挙げられます。「V7シリーズ」「V8シリーズ」「TSシリーズ」などのラインナップがあり、工場の自動化ライン、工作機械、搬送装置などに幅広く使われています。
これらのHMIは、シーケンサ(PLC)などの制御装置と連携して稼働状況やアラーム情報を視覚的に表示し、操作性と現場の効率を高める役割を果たします。発紘電機のHMIは、ユーザーが自由に画面をレイアウトできる柔軟性や、日本語を含む多言語表示、優れた視認性などが高く評価されています。
2. フィールドネットワーク対応
近年ではEthernet/IP、Modbus、CC-Link、Profibusなど、さまざまなフィールドネットワークに対応したモデルも提供されており、複雑化・多様化する産業オートメーションの現場に柔軟に対応可能です。
3. ソフトウェアツール
発紘電機では、HMIの画面作成やシステム設定を行うための専用ソフトウェア「V-SFT(Visual Screen Formatting Tool)」を提供しています。直感的な操作と多機能性を兼ね備えたこのソフトウェアは、制御盤設計者やエンジニアにとって使いやすく、開発工数の削減にも寄与しています。
技術開発とカスタマイズ対応
発紘電機の特徴の一つに、「ユーザーのニーズに応じたきめ細やかなカスタマイズ対応」があります。大手メーカーと比べると中堅企業でありながら、ユーザーの要望を反映した製品仕様変更や特殊用途向けモデルの開発など、柔軟な対応力が多くの現場で重宝されています。
また、長年にわたる制御機器メーカーとの協業により、様々な制御装置との互換性や通信実績を豊富に持ち、多機種混在環境でもスムーズな導入が可能です。
他社製品との互換性
発紘電機の表示器は、三菱電機、オムロン、富士電機、キーエンスなど、他社PLCと高い互換性を有しており、既存設備への後付けや更新時にも柔軟な選択肢となっています。特に富士電機の「MONITOUCH(モニタッチ)」との互換性はよく話題にされ、画面データの移行や通信設定などでサポート体制も充実しています。
環境への取り組みと品質保証
発紘電機では、ISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)の認証を取得しており、製品の品質と環境負荷の低減に対して真摯に取り組んでいます。工場では徹底した品質管理が行われており、信頼性の高い製品を安定的に供給しています。
まとめ
発紘電機株式会社は、産業用HMI市場における高い専門性と柔軟な顧客対応力を持つ中堅メーカーです。日本の製造業の現場に深く根差した製品開発を行っており、実用性・信頼性・操作性の面で評価されています。近年ではIoTやスマートファクトリー化といった新たな技術トレンドへの対応も進めており、今後も現場の課題解決に貢献していく企業として注目されています。
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