シーメンス SIEMENS

 シーメンス(SIEMENS)とは

**シーメンス(Siemens AG**は、ドイツに本社を置く世界的なコングロマリット企業であり、エンジニアリング、製造、電気・電子技術分野で広範な事業を展開しています。1847年にヴェルナー・フォン・シーメンスによって創業されて以来、産業の近代化を推進する技術革新のパイオニアとして知られてきました。

本社はドイツ・ミュンヘンに位置し、現在は世界190か国以上で事業を展開。2020年代に入っても、持続可能な社会インフラ、産業の自動化、デジタルソリューションなどに力を注ぎ、インダストリー4.0を牽引する存在となっています。

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主な事業分野

1. 産業オートメーション・デジタルファクトリー

シーメンスは製造業におけるデジタル化を推進するリーダー企業のひとつです。PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、HMI(ヒューマンマシンインターフェース)、インバータ、産業用PCなどの幅広い製品ラインナップを提供しています。代表的な製品には以下があります。

  •  SIMATICシリーズPLCHMI等)
  •  TIAポータル(統合エンジニアリングツール)
  •  SINAMICSシリーズ(インバータ)
  •  Mindsphere(クラウドベースのIoTプラットフォーム)

これらにより、スマートファクトリーやIoT環境の構築を実現し、生産性・品質・エネルギー効率の向上に貢献しています。

2. エネルギー分野

シーメンスは発電・送電・配電など、エネルギー関連のシステムでも世界的なプレイヤーです。特にガスタービン、風力発電、スマートグリッドといった分野で存在感があります。

なお、2020年には同社のエネルギー部門が**シーメンス・エナジー(Siemens Energy**として分社化され、独立企業として運営されています。

3. 医療機器(Siemens Healthineers

シーメンスは医療分野でも長年の実績を持ち、画像診断装置(MRICTX線装置など)、検査機器、診断ソリューションなどを提供しています。特に精度の高い画像診断機器は、病院や研究機関で高く評価されています。

この分野もまた分社化されており、Siemens Healthineersとして独立し、世界トップクラスの医療技術企業に数えられます。

4. インフラ・モビリティ

鉄道、スマートシティ、ビルのオートメーションといった都市インフラにも力を入れています。鉄道部門では高速鉄道(ICE)や信号制御システムなどを提供。近年は自動運転、EVインフラなどの次世代交通にも注力しています。

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テクノロジーとビジョン

シーメンスは「デジタルトランスフォーメーション」を核にした技術戦略を展開しており、サイバーフィジカルシステム、AIIoT、デジタルツインなどを統合的に活用した製造業の進化を目指しています。

また、同社はSDGsESGにも積極的で、クリーンエネルギーの導入、二酸化炭素排出量の削減、サーキュラーエコノミーの推進など、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

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日本におけるシーメンス

シーメンスは日本にも長年にわたり拠点を構え、シーメンス株式会社など複数の法人を通じて活動しています。特に、工場の自動化やエネルギー管理、医療機器の供給において日本市場でも高い評価を受けています。

日本国内の大手製造業(自動車、食品、化学、医薬品など)でシーメンスのPLCや制御機器が採用されており、製品の安定性・信頼性・拡張性は高く評価されています。

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シーメンスの企業理念と価値観

シーメンスの企業理念は「Ingenuity for life(生活のための創意工夫)」というスローガンに集約されています。これは単なる技術開発ではなく、人々の暮らしを豊かにするためのイノベーションを追求する姿勢を表しています。

さらに、「持続可能性」「品質への責任」「多様性と包摂性(ダイバーシティ&インクルージョン)」を重視しており、社会と産業にとって信頼されるパートナーであり続けることを企業目標としています。

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創業者ヴェルナー・フォン・シーメンスが世に出たきっかけは、針式電信機の発明です。当時の通信手段は遅く非効率で、シーメンスはこれを改良し、**ベルリン〜フランクフルト間(約500km**に電信回線を敷設するという大胆なプロジェクトをやり遂げました。

当時のこの長距離通信は非常に画期的で、「未来の通信手段」として一躍有名に。
つまり、シーメンスはインターネットのひいおじいちゃん的存在の技術に関わっていたんです。

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日本で初めて走った路面電車(京都市電)の動力装置と電気設備は、実はシーメンス製なんです。明治時代、まだ電気が一般的でなかった日本に最新のドイツ製技術を輸入し、輸送インフラの近代化をサポートしました。

電車だけでなく、最初の発電機や送電設備もシーメンス製だった時代があるので、日本の近代化に相当貢献してるんですよね。

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第二次世界大戦中、シーメンスの工場は連合国の空襲により90%以上が壊滅。しかし戦後すぐに立ち上がり、わずか数年で事業を再建。

なかには「製品の設計図が全部消失しても、エンジニアが頭の中で再現した」という逸話も。
まさに「技術屋魂」でドイツ経済の復興を支えた不屈の企業なんです。

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1960年代には、シーメンスはNASAの宇宙計画に必要な制御機器や通信技術を供給していました。特にアポロ計画などで使用された高信頼性部品の供給元のひとつであり、地球外の開発にも貢献していたのです。

つまり「シーメンスの技術、宇宙まで届いてる」ってことですね

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近年ではドイツのアマーベルク工場で、シーメンスは「工場が自分で工場を運営する」という未来的な取り組みをしています。

  •  1日あたり1200万点以上の部品を処理
  •  生産ラインの75%が完全自動化
  •  製品ごとにリアルタイムで条件を変更

これはもはやSF映画の世界みたいな現実。現代の製造業の「ラスボス」感、すごいです。

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ヴェルナー・フォン・シーメンスの名言

「私は発明によって、人類に役立つことを第一の目的とする。」

この精神は今のシーメンスのスローガン「Ingenuity for Life(生活のための創意工夫)」にしっかり受け継がれています。

 

サプライチェーン情報

 

弊社の流通中古市場調査で、SIEMENS製の製品・部品は約115,000種類確認されています。

また互換・同等の製品・部品を供給している主な会社は以下のとおりです。

 

ITE SIEMENS   2,500種類 

MOORE PRODUCTS   200種類

STAEFA CONTROL SYS   160種類

ALLIS CHALMERS   120種類

LANDIS & GYR   250種類

FURNAS ELECTRIC CO   2,600種類

SIEMENS INDUSTRY   300種類

RVSI ACUITY CIMATRIX   10種類

NERLITE   20種類

PYROTRONICS   500種類

SIEMENS MEDICAL   5種類

DEMATIC   10種類

FLENDER   10種類

LANDIS & STAEFA   20種類

MILLTRONICS   100種類

ACUITY IMAGING   10種類

TEXAS INSTRUMENTS PLC   650種類

MURRAY BREAKERS   90種類

NORDIC CONTROLS   30種類

REYROLLE   30種類

FARADAY   70種類

CIMATRIX   10種類

SIEMENS APPLIED AUTOMATION   2種類

RUGGEDCOM   10種類

Fuji Electric(富士電機)   450種類

OMRON   15種類

Emerson   80種類

 

上記のサプライチェーン情報は202408月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。

 

 

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