ファナック FANUC

 ファナック(FANUC)とは?

**ファナック株式会社(FANUC Corporationは、日本を代表する産業用ロボットおよびCNC(コンピュータ数値制御装置)**の開発・製造・販売企業です。本社は山梨県忍野村(富士山のふもと)にあり、社名は「Fuji Automatic NUmerical Control(富士自動数値制御)」の頭文字からきています。

特にCNCとロボット分野では世界シェアトップクラスを誇り、「世界の工場の心臓部を支える企業」とも呼ばれています。

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1. 創業と歴史

ファナックのルーツ

ファナックの歴史は、1956年、富士通の内部研究開発部門としてスタートしたところから始まります。

  •  創始者:稲葉清右衛門(いなば せいえもん)
  •  1958年:富士通のNC開発部門として稼働。
  •  1972年:富士通から分社化し、「ファナック株式会社」が誕生。

当初はわずか数名でNC装置(数値制御装置)の研究を行っていましたが、世界に先駆けて高性能NC装置の開発に成功。これが後のCNC装置の原型となり、工場の自動化に革命をもたらしました。

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2. 主な事業内容

ファナックの事業は、大きく以下の3本柱に分かれます。

FAFactory Automation)事業

  •  CNC装置(コンピュータ数値制御装置)
  •  サーボモーター、スピンドルモーターなどの駆動系
  •  工場の生産設備全体の制御・最適化

ファナックのCNC装置は、世界の多くの工作機械に搭載されており、その世界シェアは50%以上とも言われています。

ロボット事業

  •  産業用ロボット(アーム型ロボット、パレタイジングロボットなど)
  •  塗装・溶接・搬送など、多種多様な用途
  •  自動車、電子部品、食品、医薬品などあらゆる分野で導入

特に黄色い筐体のロボットは、世界中の工場で見られ、「黄色いロボット=ファナック」のイメージが定着しています。

ロボマシン事業

  •  ロボドリル(高精度小型加工機)
  •  ロボショット(電動射出成形機)
  •  ロボカット(ワイヤ放電加工機)

小型かつ高精度な製造装置で、スマートフォン部品の加工などに使用。Appleなどの精密機器メーカーが顧客に含まれると噂されています。

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3. 特徴と強み

極端なまでの自社自動化

ファナックの富士山麓にある巨大工場では、自社のロボットを使って自社のロボットを作るという徹底した自動化が行われています。

  •  24時間365日、ほぼ無人で稼働
  •  照明をほとんど使わず「暗闇でロボットがロボットを製造」
  •  不良率を限りなくゼロに近づけた精密生産体制

この極限の「スマートファクトリー」は、世界中の製造業関係者の注目の的です。

超シンプル経営

  •  営業所はほぼ設けず、「技術力で勝負」
  •  広告宣伝費をほとんど使わない(テレビCMもなし)
  •  自社株買いや過度な資本政策も行わず、職人気質の黒字経営

こうしたスタイルが、「寡黙な優良企業」としてのブランドを築き上げています。

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4. グローバル展開と評価

ファナックは早くから海外市場を重視しており、現在では売上の約80%以上が海外です。

  •  **アメリカ(FANUC America**では、自動車や航空産業向けに大きな存在感。
  •  中国では、スマートフォン・電機業界の成長と共に需要が増加。
  •  ヨーロッパでは、ロボット技術の信頼性で高評価。

特にアメリカでは、ゼネラル・モーターズ(GM)との提携が大きな成功を収め、ロボット市場への足がかりとなりました。

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5. おもしろエピソード・裏話

「富士山しか見えない」本社立地

  ファナックの本社は、山梨県忍野村という自然豊かな場所にあり、敷地の周囲にはほぼ何もありません。

  •  コンビニも数キロ先
  •  電車も通っていない
  •  代わりに、「富士山ビュー」が全社員の癒し

これは創業者が「雑音から離れ、モノづくりに集中できる環境」を重視した結果。今でも「他社と無駄に競わない」独立独歩の企業姿勢を象徴しています。

 

黄色にこだわる理由

ファナック製品がすべて黄色なのは、「目立つから」ではありません。

  •  創業時、「安全性と識別性を両立させる色」として黄色を採用。
  •  結果的に、視認性の高い黄色がブランドカラーに定着。
  •  今では、黄色いロボット=高信頼の証とも言われます。
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6. 今後の展望と取り組み

ファナックは近年、AIIoTとの連携を強化しています。

  •  AIを活用した「自己診断型ロボット」
  •  遠隔監視・予知保全システム「FIELD system
  •  自律学習機能付きのロボット開発

また、「人と共存するロボット(協働ロボット)」の開発にも注力しており、製造現場の人手不足という課題にも対応中です。

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まとめ:無口だけど世界一流の“職人企業”

ファナックは、「派手な広告や営業は一切しない」企業でありながら、その技術力と品質は世界中の工場が認める世界トップレベルです。

  •  モノづくりへの誠実さ
  •  自動化へのこだわり
  •  独自の美学と経営哲学

それらが凝縮された企業文化は、まさに「寡黙だけどすごい、日本企業の鏡」と言えるでしょう。

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エピソード①:「森の中の超ハイテク企業」

ファナックの本社・工場があるのは、山梨県の**忍野村(しのびのむら)**という、ほんとうに山と森しかない場所。

  •  周囲にコンビニやカフェはほぼゼロ。
  •  社員の通勤は、ほぼマイカー or シャトルバス。
  •  富士山のふもとに、森のようなキャンパスが広がっている。

なんと、そこに世界トップレベルの自動化ロボット工場がぽつんと存在してるんです。

これ、海外の視察団は本当にびっくりします。

「こんな大自然の中に世界最先端のロボットが!?

「グーグルの未来都市よりSF感ある!」

さらにユニークなのが

  •  施設内に鹿やキツネが現れることも。
  •  工場の敷地内に、神社まである

つまりファナックは、「自然とロボットが共存する、リアル・トトロ村の未来工場」なんです!

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エピソード②:ロボットがロボットをつくる「夜の工場」

ファナックの工場では、ロボットがロボットを組み立てるという、超未来的なシステムが導入されています。

しかも

「夜は人がいないから、電気もほぼ点いてない

つまり、暗闇の中でロボットたちが無言で作業を続けているという状態。これは世界中の工場関係者にとっても衝撃的な光景です。

この様子を見た外国人バイヤーが一言:

「ファナックの工場は“お化け屋敷”みたいに静かだ!」

実際にYouTubeなどで工場の様子を見られると、「機械音しか聞こえない」「未来すぎる」とコメントが飛び交っています。

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エピソード③:「全社員がメール禁止だった時代」

これも驚きの逸話。なんとファナックは、2000年代前半まで社内でメールを使うことを禁じていたんです。

  •  理由は「口頭と紙で、誤解のないやりとりをすべし
  •  社内のやりとりは、基本手紙電話直接話す
  •  海外拠点との連絡すら、FAXか郵便という徹底ぶり

「技術者同士は、口で話すことで“ノリ”が伝わる」

というのが理由だったそうです。ちなみに、IT部門もかなり後までWindows XPを使い続けていたとか

この「ハイテク企業だけど超アナログ主義」というギャップが、ファナックらしさでもあります。

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エピソード④:「門が勝手に開かない工場」

ファナックの工場には、厳重なセキュリティゲートがあるのですが、実は昔

社員証があっても、ゲートがなかなか開かない時期があったそうです(笑)

なぜかというと、

  •  社員証の読み取りは超正確すぎる。
  •  人の動きもセンサーで管理。
  •  少しでも動きに違和感があると「警戒モード」になる。

そのため、「月曜日で動きが鈍い人」には門が開かないことがあったとか

社内では「ファナックのAIは、朝が弱い人を判定する説」がささやかれていました(笑)

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エピソード⑤:「FANUCは宇宙に行ける説」

これも業界内のジョークですが、ファナックのCNCやロボットはあまりにも壊れにくく、精度が高く、動きが正確なため、

「ファナック製のロボットなら、月面工場にもそのまま持っていける

と言われることがあります。

実際、NASAJAXAなどの精密機器製造現場にもCNC装置が採用されており、「宇宙レベルの信頼性」とネタにされることもあります。

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まとめ:ファナックは“無口な天才”

ファナックは無口で宣伝しないけど、実は中身は

  •  自然×ロボットの共存ワールド
  •  暗闇で自律作業するロボット群
  •  メール禁止の超アナログ主義
  •  朝に厳しいAIゲート
  •  宇宙レベルの精密性

という、**突き抜けた「変人ぶり」と「技術の変態さ」**が混在した、まさに奇想天外な企業なんです。

 

 

サプライチェーン情報

 

弊社の流通中古市場調査で、ファナック:FANUC製の製品・部品は約16,500種類確認されています。

また互換・同等の製品・部品を供給している会社は以下の会社です。

TOTAL CONTROL PRODUCTS   660種類

GE FANUC   4,460種類

GREYLINE INSTRUMENTS INC   10種類

GE LIGHTING   160種類

GE POWER CONTROLS   190種類

GE FUJI   30種類

GENERAL ELECTRIC   50種類

FANUC ROBOTICS   260種類

GE SENSING   3種類

MASONEILAN   10種類

CINCINNATI ELECTROSYSTEMS   180種類

PANAMETRICS   10種類

DIELEKTROL   20種類

ZENITH CONTROLS INC   10種類

FUJITSU   140種類

GE ENERGY   5種類

MICROWAVE DATA SYS   10種類

BENTLY NEVADA   2種類

VMIC   110種類

FANUC AMERICA   10種類

GE ECM MOTORS   5種類

GE WIRING   2種類

THERMOMETRICS   2種類

FUJITSU FANUC   6種類

 

上記のサプライチェーン情報は202410月に調査した流通在庫データをベースにしていますので日時の経過によって変動いたします。

 

 

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